日本の伝統文化「生け花」と生け花におすすめの花材について

日本の伝統文化「生け花」と生け花におすすめの花材について

生け花の由来

「生け花」とは500年以上に渡って人々に親しまれてきた日本の伝統芸能の一つです。室町時代に京都の僧侶であった「池坊専慶(いけのぼうせんけい)」が開祖であり、発祥は仏教の文化である「供花」に由来するとされている説があります。

室町時代に「書院造り」という床の間がある家屋が作られるようになり、その床の間を飾るために花が生けられるようになりました。当初は一輪挿しが主流でしたが、次第にさまざまな花器が使われるようになり、江戸時代には「立花」として庶民にもたしなまれていくようになりました。

現在は江戸時代後期に流行した生け花を元にさまざまな流派があり、「池坊」や「草月流」、「小原流」などが広く親しまれています。
現在では日本だけではなく、その美しさに魅了された海外の方からも人気が出て生け花を嗜む人が増えてきました。

生け花に使用される主な道具

◯花器:一般的に平たいものが用いられます。色も素材もさまざまで、自由に決めていきます。

◯剣山:植物を刺して使用します。剣山を使用することで、花材を固定し生け花をバランスよく仕上げていく手助けとなります。

◯花ばさみ:所持してない場合は普通のはさみで代用可能ですが、花ばさみがある方が花材に枝など固いものを使用する際に切りやすく便利です。

生け花の基本形

流派によって違いはありますが、基本的には三点を中心にし、季節に合った花や植物を使って構成されています。

主材となる植物を中心とし、「真(しん)」→「副(そえ)→「控(ひかえ)」とバランスを見ながら生けていきます。

一般的には「真」の場所にメインとなる植物を生けることが多く、それに合わせ「副」と「控」の植物を生けます。「控」は全体的なバランスを保つために「副」の反対側に配置します。
「真」は軸から角度を10度ほど倒し、「副」は中心から約45度、「控」は約75度倒して生けます。

基本形ではその三点を中心に三角形や二等辺三角形に生けられることが多く、また「真」「副」「控」を生けたあとによりバランスをよくするために周りに植物を足していくことがあり、「従枝(じゅうし)」と呼ばれています。従枝は完成したときに剣山が見えないように剣山隠しの役目も果たしており、その場合は主枝(真・副・控)の花材より短く配置しましょう。

一般的に生け花の基本形は正面から見て一番美しく見えるように生けていきますが、基本形以外にもさまざまな生け方があります。

例えば、「四方正面」という左右前後の四方どこから見てもバランスよく見えるように生ける技法があり、この四方正面の他にも六方正面や八方正面など、机の中心などに生ける際はこれらの技法が用いられることが多くなります。

また、剣山を使わず壺など高さがある花器にそのまま生ける「投げ入れ」という技法もあります。
茶道の際に飾られる「茶花」というスタイルの生け花にはこの技法を用いて生けます。

生け花において大切なこと

花材を使って基本形を元に美しく生けることも大切ですが、まずは自分の感性に従って楽しみながら生けてみることが大切です。
楽しみながら美しい花々と向き合うことで心も晴れやかな気持ちになってくるでしょう。生け花は敷居が高そう・難しそうと思われる方も多いかもしれませんが、まずは好きなお花をお家に生けたりすることから始められてみてはいかがでしょうか?
きっとあなたの毎日の生活を豊かにしてくれるはずです。

生け花の初心者の方で、最初に難しいと感じる点の一つに花材の選択があります。どのような花材が生け花に合うのかというのは、お稽古を重ねて行く中で少しずつ身についてくる感覚でありますが、今回は生け花においてよく使われる花材についてご紹介させていただきます。

日本の国花でもある「菊」

通年を通してお花屋さんで購入可能な点や花持ちの良さから、生け花においてもとてもよく使われる花材となっています。天皇を象徴する花として取り入れられたり、平安時代の「古今和歌集に盛んに菊のことが詠まれていることからも、日本人にとても馴染み深い花であることが伺えます。

また大ぶりのものから、小菊やスプレー菊などの小ぶりのものまであるため、メインの花材として使っても、副や控の位置に使う花材としても重宝されています。数種類の菊を使って、菊だけで構成する生け花は気品があって素敵なアレンジとなります。茎の線がまっすぐなものが多いため、枝ものと合わせて線の美しさを活かした生け花もおすすめです。

鮮やかな紫色が美しい「カキツバタ」

生け花をしない方にとってはあまり馴染みのない花ですが、生け花の世界においてカキツバタはよく使われる花材の一つである馴染み深い花となっています。初夏になると美しい紫色の花を咲かせ、下に向かって膨らんだ特徴的な花びらが可愛らしい花材です。「いずれアヤメかカキツバタ」という言葉があるほど、アヤメやショウブととてもよく似ていますが、見分ける違いとしては、花弁の弁の元に白い目のような模様があるものがカキツバタとなります。

カキツバタは明るい緑色をしたシャープな線が特徴の葉もメインとして使われることが多く、生け方としては、カキツバタの花を控えめにして、葉を多く生ける方法がおすすめです。美しい緑色の中に可憐に佇むカキツバタの花の美しさをより一層活かすことができます。

花持ちもよく色どり豊富なカーネーション

生け花だけでなく、一般的にたくさん販売されており菊や薔薇と並んで「切り花3大種」と呼ばれるほど、メジャーな花の一つでありますが、生け花においてもよく使われる花材の一つとなっております。切り花の中でも特に花持ちの良い品種であり、きちんとケアをすれば夏場でも10日ほど、冬場だと3週間ほど美しい状態のまま咲き続けてくれます。

一般的にはスプレー咲きと呼ばれる小さなサイズの花々が一つの花の茎に咲く品種が広く認知されていますが、最近では花の大きさが10センチほどになる大きな一輪咲きのカーネーションも人気が高まってきました。生け方としては、スプレー咲きのカーネーションは副の位置や控の位置、従枝として使い、大きな一輪咲きのカーネーションはメインの花材として使うと良いでしょう。葉物と合わせても、枝ものと合わせてもとても美しい万能な花材です。

清廉な印象の「カラー(カイウ)」

お花屋さんでは「カラー」という名称で売られていることが多いですが、生け花の世界では「カイウ」と呼ばれることが多くなっています。シュッとした線の美しさが特徴のカイウは、清廉な印象の白い花が一般的によく売られていますが、紫やピンク色なども白いカイウとはまた印象が変わって可愛らしい花です。

生け方としては、茎が曲がりやすく折れにくい性質であるため、その特性を取り入れて茎を湾曲させて生け花に用いても、線の美しさが活かされ動きが出るためとても素敵な仕上がりの生け花となります。

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