三大流派以外のさまざまな生け花の流派について

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三大流派以外のさまざまな生け花の流派について
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目次

種類豊かに展開される流派

生け花の世界においては「華道家元池坊(いけのぼう)」「草月流」「小原流」が三大流派だと言われていますが、それらの流派以外にもさまざまな流派があり、その数は300にものぼると言われています。今回は三大流派以外の流派についてご紹介させていただきます。

現在親しまれているさまざまな流派について

○未生流(みしょうりゅう):江戸時代後期に未生斎一甫(みしょうさい いっぽ)によって摂津国大坂(現在の大阪府)で創流された歴史深い流派の一つです。華道理論を7巻の伝書にまとめ、今でも未生流を習う人たちにとっての良き教えとなっています。現在は第十代家元である未生斎慶甫(みしょうさい けいほ)によって受け継がれています。未生流は主に西日本で活動が行われており、仏教などの宗教的な観念が未生流における根本的思想です。技法としては、直角二等辺三角形の形をベースに生け花を形作っていき、そこには「天地人」が意識されています。

○雪舟流(せっしゅうりゅう):1931年に増野雪舟によって創流された、生け花の中では比較的新しい流派であります。時代が進むにつれ、たくさんの花を用いた豪華絢爛な作品にばかり人気や注目があつまったことを疑問に思った増野雪舟は、シンプルで素朴な生け花の中に究極の美を見出そうと、植物の生態や造形美術などさまざまな分野に視野を広げ、個性豊かな流派を築き上げました。

○古流松藤会(こりゅう しょうとうかい):江戸時代に創流された、250年以上もの長い歴史をもつ由緒正しい生け花の流派です。流派としてしっかりと創立されたのは大正5年となっています。生花という伝統を重んじる中で、現代華として戦後新たなスタイルも生み出されました。生花(しょうか)では江戸時代から長く伝承された花型を用い無駄なく簡素化されたスタイルの中に美しさと格調をもった生け花を目指すのに対し、現代華では古典的な様式に捉われず生ける人の自由な発想や自由な形で花材を取り合わせ表現する生け花を目指すという、同じ流派ながらまったく違った顔を持ち合わせています。

○桂流:1979年に初代家元である桂春桃によって創流された、生け花の中でもかなり新しい流派の1つです。花の美しさと命をより良く表現するためには何が良いのかを模索し、「美が形式を生み出す」という結論を導き出し、「心・和・技」を桂流における基本理念としています。

○御室流(おむろりゅう):世界遺産にも登録されている仁和寺を家元とする流派です。身仏一如の助けとなり得る技法として長く人々に親しまれています。

○嵯峨御流(さがごりゅう):嵯峨御流は平安時代の嵯峨天皇にルーツがあり、嵯峨天皇の自然や草木に対する慈しみの心が嵯峨御流においての大切な土台となっています。嵯峨御流には豊富な生け花の様式があり、生花や盛花、瓶花荘厳華など、伝統を重んじた「伝承華」と、荘厳華を発展させた祈り花や生花を発展させた才の花、盛花や瓶花を発展させた想い花という新しい感覚の生け花である「心粧華」があります。

まとめ

いかがでしたか?生け花の世界においては本当にさまざな流派があり、流派によってその個性もさまざまとなっています。生け花の流派選びの際の参考となれば幸いです。